公正証書遺言

公正証書遺言とは

公正証書遺言とは、公証人の作成する公正証書によって成立する遺言です。作成された証書の原本は公証役場で保管されるので、自筆証書遺言と違い、紛失や改ざんの心配がありません。また、検認手続きも不要です。

公正証書遺言の要件(立会い→口授→筆記→承認→署名・押印)

公正証書遺言をするには、次のことが必要です(民法969条)。



  1. 証人2人以上の立会いがあること。

  2. 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。

  3. 公証人が、遺言者がことばで述べたことを筆記し、これを遺言者と証人に読み聞かせるか閲覧させること。

  4. 遺言者と証人が筆記の正確なことを承認し、それぞれ署名・押印すること。

  5. 最後に公証人が適正な方式で作成されたことを付記し、署名・押印すること。

証人の欠格事由

次に該当する人が、証人や立会人として立会い、作成された公正証書遺言は無効となります(民法974条)。



  1. 未成年者

  2. 推定相続人、推定相続人の配偶者、推定相続人の直系血族

  3. 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記および使用人

公正証書遺言のメリットとデメリット

公正証書遺言の原本は公証役場に保管されるため、紛失や改変のおそれがなく、検認手続も不要です。また、公証人が関与するため、方式違反により遺言が無効となる危険も少ない。


半面、証人や立会人に遺言の内容を秘密にできず、費用がかかり、手続きもわずらわしいという短所があります。

基礎控除

基礎控除とは

相続や遺贈、死因贈与によって財産を受け取ったすべての場合で、相続税がかかるわけではありません。
正味の課税遺産総額が、基礎控除額より少なければ、相続税は課税されませんので、その場合は、相続税の申告をする必要もありません。


基礎控除額は、5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)となります。この場合の相続人は、相続発生時に相続権をもつ相続人ですので、相続放棄があった場合も、その放棄がなかったとものとして、相続人の数をかぞえます。相続人の中に代襲相続人が含まれている場合は、代襲相続人1人につき1,000万円の基礎控除があります。

養子の数の制限

税を逃れることを目的とした養子縁組を防ぐために、基礎控除に算入することができる養子の数には制限があります。



  • 実子がいる場合は、算入することができる養子は1人まで。

  • 実子がいない場合は、算入することができる養子は2人まで。


なお、特別養子縁組の養子や、配偶者の連れ子を養子とした場合については、実子として扱われるので、基礎控除の対象となります。

相続欠格

欠格事由


  1. 故意に被相続人または先順位もしくは同順位にある相続人を死亡するに至らせ、または至らせようとしたために、刑に処せられた者。

  2. 被相続人が殺されたことを知って、これを告発、告訴しなかった者。ただし判断力のない者、または殺害者が自分の配偶者もしくは直系血族であったときは欠格事由とされない。

  3. 詐欺または強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、これを取り消し、またはこれを変更することを妨げた者。

  4. 詐欺または強迫によって、被相続人に、相続に関する遺言をさせ、または取り消させ、あるいは変更をさせた者。

  5. 相続に関する被相続人の遺言を偽造、変造、破棄、隠匿した者。


これらの欠格事由に該当すると、誰からの手続きがなくても、当然に相続権を失い、また遺贈を受ける権利も失います。ただし、相続欠格となった者の子は、親に代わって相続することができます。